敷地の大きさから考えると玄関と水廻りを1階に配置して
それ以外の生活スペースを2階に計画しました。
生活の中心は必然的に2階になり、
「2階建ての平屋」と、言えるかもしれません。
寝るための個室を確保する事を希望されました。
そこで、それ以外のスペースは出来るだけ繋げて
広い空間を感じつつ、且つ、各々が適度な距離感を
感じる関係にしたいと考えました。
そして3つの個室を配置し、その中心に3m角の水槽のような
ガラスのボックスを置きました。
このガラスボックスは部屋の延長として行き来できる中庭です。
しかし、この計画では2階のワンルーム空間において
キッチン、リビング、和室、個室、各々の
スペースを仕切る装置として機能しています。
一方、ガラスを介して視覚的には繋がった空間を
感じる事ができ、各々のスペースを緩く繋げています。
2階から1階の様子が伺えます。
そして、太陽の光を玄関前のポーチに落としています。
グレーチングを通した光は道路面のファサードの中に
柔らかさを与えています。
中庭と呼ぶには小さく、
むしろ建物に空けた穴のような空間です。
家族の意識は自然とこのボックスに向かい、
家の中心となる力強い存在となっているようです。
構造：1階コンクリート造 2階木造
敷地面積：127.81m2（38.66坪）
床面積：152.66m2（46.17坪）
竣工：2010年12月
施工：株式会社杉崎工務店